前回の記事で、OBS Studioを使った
安定した高画質録画の基本設定 はマスターできたはずです。
今回はさらに一歩踏み込み、
- 編集ソフトでの作業効率を上げたい
- 音声を後から自由に調整したい
- 決定的な瞬間を逃さず保存したい
といった 編集・制作向けの上級者ニーズ に応える
「高度な録画設定」を解説します。
1. 編集効率を劇的に上げる「マルチトラック録画」
通常のOBS録画では、
- ゲーム音
- マイク音声
- BGM・効果音
が 1つの音声トラック にまとめて記録されます。
これでは編集時に
「声だけ調整したい」「BGMだけ下げたい」
といった操作ができません。
そこで活躍するのが
マルチトラック録画 です。
1-1. マルチトラック設定手順
① 出力トラックを有効化
- OBS「設定」→ 出力 → 録画
- 音声トラックで使用する番号にチェック
- 例:1 / 2 / 3
(通常は3〜4トラックで十分)
- 例:1 / 2 / 3
② 各音声ソースを割り当てる
- 音声ミキサー → 歯車 → オーディオの詳細プロパティ
- 各音声ソースごとにトラックを割り当てます
| 音声ソース | トラック例 | 用途 |
|---|---|---|
| デスクトップ音声 | トラック1 | ゲーム音・環境音 |
| マイク / AUX | トラック2 | 自分の声 |
| BGM・SE | トラック3 | 効果音・BGM |
| トラック1(全チェック) | 全音声 | 公開用の最終ミックス |
👉 トラック1は「完成版」
👉 トラック2以降は「編集用素材」
という考え方がおすすめです。
1-2. 編集ソフトでの使い方
この設定で録画した動画を
Premiere Pro / DaVinci Resolve などに読み込むと、
- トラック1:完成ミックス
- トラック2:マイク音
- トラック3:BGM・SE
が 独立した音声トラック として表示されます。
👉 編集時の音量調整・差し替えが格段に楽になります。
2. 見逃さない録画!「リプレイバッファ」活用術
「今のプレイ、録画しておけばよかった…」
そんな後悔をなくすのが
リプレイバッファ 機能です。
これは、
常に直近数分間の映像をメモリ上に保持し、
必要な瞬間だけ保存できる仕組みです。
2-1. リプレイバッファの設定
- OBS「設定」→ 出力 → リプレイバッファ
- リプレイバッファを有効にする にチェック
- 最大リプレイ時間
- 例:120秒(=直近2分間)
2-2. ホットキー設定
- OBS「設定」→ ホットキー
- リプレイバッファを保存 にキーを割り当て
- 例:F12
使い方
👉 決定的瞬間の直後にキーを押すだけ
👉 押した時点から 遡った映像が保存 されます
3. 映像品質を引き上げる「色深度・色範囲」設定
編集前提で録画するなら、
色情報を最大限残す設定 も重要です。
3-1. 色空間と色範囲の設定
OBS「設定」→ 詳細設定 → 映像
| 項目 | 推奨設定 | 目的 |
|---|---|---|
| 色空間 | Rec.709 | Web動画制作の標準 |
| YUV 色範囲 | フル | 色情報を最大限保持 |
| HDR | 対応環境のみ | 高輝度・広色域 |
⚠ 注意点
YUV色範囲を「フル」にした場合、
編集ソフト側でも フルレンジとして読み込む設定 が必要です。
(設定が合っていないと暗く見えることがあります)
まとめ:編集前提OBS録画・上級チェックリスト
| 機能 | 効果 |
|---|---|
| マルチトラック録画 | 音声編集が自由になる |
| リプレイバッファ | 決定的瞬間を逃さない |
| YUV色範囲(フル) | 編集耐性の高い映像 |
これらを活用すれば、
OBSは「記録用ツール」から
プロの編集に耐える収録システム へと進化します。
ぜひ一つずつ試してみてください。
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