配信中に、視聴者からのコメントへの反応が遅れる、リアルタイムでやり取りしているつもりなのにタイムラグを感じる、といった悩みを持つ方は少なくありません。
この記事では、OBSで配信するときに発生する「遅延(タイムラグ)」がどこで起きるのか、そして遅延を減らすために確認しておきたい設定のポイントを解説します。
なお、「配信の遅延(タイムラグ)」と「映像と音声がズレる音ズレ」は別の現象です。
この記事では、視聴者に映像が届くまでの時間差(遅延)について扱います。
音ズレでお困りの場合は、原因が異なるため別途ご確認ください。
配信の遅延はどこで発生するのか
OBSでのライブ配信は、大まかに次のような流れで視聴者に届きます。
- OBSが映像・音声をエンコード(圧縮処理)する
- インターネット回線を通じて配信サービス(YouTubeなど)へデータを送信する
- 配信サービス側で受信・処理し、視聴者に配信する
- 視聴者側のプレーヤーが受信したデータを再生する
遅延は、この一連の流れのどこか一箇所だけで起きるものではなく、エンコード処理・回線・配信サービス側の処理・視聴者側の再生など、複数の要素が積み重なって発生します。
特に、配信サービス側の処理(視聴者に安定して届けるためのバッファリング)による遅延は、OBS側の設定だけでは変えられない部分も大きい点を押さえておく必要があります。
YouTubeライブ配信の「低遅延」設定を確認する
YouTubeでライブ配信している場合、YouTube Studioのライブ配信ダッシュボードで設定する「ライブ配信の遅延」が、遅延の大きさに直接関わる設定です。
YouTubeのヘルプページによると、次の3つのモードが用意されています。
| モード | 遅延の目安 | 4K対応 | 向いている配信 |
|---|---|---|---|
| 通常の遅延 | 記載なし(最も遅延が大きい) | 対応 | 視聴者とのやり取りを行わない配信 |
| 低遅延 | 通常10秒未満 | 非対応 | やり取りが限定的な配信 |
| 超低遅延 | 通常5秒未満 | 非対応 | チャットなどでリアルタイムに活発なやり取りを行う配信 |
視聴者とのコメントのやり取りを重視する場合は「低遅延」または「超低遅延」を選ぶと、遅延を抑えやすくなります。
ただし、超低遅延モードは、
・選択したビットレートを維持できる安定した回線環境が前提になっている点
・4K配信には対応していない点
に注意してください。
また、Webカメラやモバイルからの配信では、常にやり取りを優先する設定が使われるため、この遅延設定自体を変更できません。
OBS側で見直せるポイント
YouTube側の遅延設定に加えて、OBS側でも確認しておきたいポイントがあります。
キーフレーム間隔
配信の出力設定にある「キーフレーム間隔」は、配信サービス側が指定・推奨している値(多くの場合2秒)に合わせておくことが基本です。
この値が推奨値からずれていると、配信サービス側で正しく処理されない、配信が不安定になるといった問題が起こる場合があります。
「配信の遅延(Stream Delay)」設定に注意
OBSの詳細設定には「配信の遅延」という項目がありますが、この機能は遅延を減らすためのものではなく、意図的に配信を遅らせるための機能です(配信妨害対策などで使われます)。
遅延を減らしたい場合は、この設定はオフ(0秒)のままにしておいてください。
回線・PCの状態も遅延に影響する
上り回線の速度が不安定だと、エンコード済みのデータをスムーズに送信できず、遅延が大きくなることがあります。
また、PCの処理性能がエンコード処理に対して不足している場合も、映像の送出が遅れる原因になります。
回線速度やPCのスペックに心当たりがある場合は、あわせて確認してみてください。
OBS配信の遅延が気になるときの確認順
原因を1つずつ切り分けるために、次の順番で確認することをおすすめします。
- 配信サービス側の遅延モードを確認する: YouTubeの場合は、YouTube Studioの「ライブ配信の遅延」設定(通常の遅延/低遅延/超低遅延)を確認します。
- OBSの「配信の遅延(Stream Delay)」がオンになっていないか確認する: オンになっている場合、意図的に遅延が加えられている状態です。
- OBSの「統計」パネルで、ネットワークが原因のドロップしたフレームが発生していないか確認する: 発生している場合、アップロード側の回線が不足している可能性があります。
- 上り回線の速度を確認する: 配信に使用しているビットレートに対して、上り回線の速度が十分か確認します。
- PCのエンコード負荷を確認する: OBSの「統計」パネルで、レンダリングラグやエンコードラグが発生していないか確認します。
まとめ
配信の遅延は、OBS側の設定だけでなく、YouTubeなど配信サービス側の遅延設定や、回線・PCの状態など複数の要素が関係しています。
まずはYouTube Studioの「ライブ配信の遅延」設定を確認したうえで、上記の確認順を参考に、OBS側の設定や回線・PCの状態を見直してみてください。
OBSを活用した動画制作・配信のご相談も承っております
株式会社POVでは、OBSを活用した動画制作・オンライン配信のコンサルティングを行っています。
・OBSを活用した録画・配信環境の構築
・マイクやオーディオインターフェースなどの機材選定・設定
・Zoomウェビナー・オンラインセミナーの配信サポート
・eラーニング動画制作
・社内研修動画の内製化支援
など、お客様の目的や運用に合わせたサポートをご提供しています。
「配信中に視聴者とのやり取りにタイムラグを感じる」
「YouTubeライブ配信の遅延設定がよく分からない」
「快適に配信できる環境を整えたい」
このようなお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。



